1.少額訴訟の概要 少額訴訟手続とは,60万円以下の金銭の支払を求める場合に限って利用できる,簡易裁 判所における特別の訴訟手続です(民事訴訟法第368条第1項)。 この制度は,簡易迅速に紛争を処理することを目的として設けられた制度ですので,通常の 訴訟手続とは異なる点があります。例えば, |
ア | 裁判所は,原則として,1回の期日で審理を終えて,即日,判決をします(同法第370条第1項,第374条第1項), |
イ | 訴えられた人(被告)は,最初の期日で自分の言い分を主張するまでの間,少額訴訟手続ではなく,通常の訴訟手続で審理するよう,裁判所に求めることができます(同法第373条第1項)。 |
ウ | 少額訴訟手続によって裁判所がした判決に対して不服がある人は,判決又は判決の調書の送達を受けてから2週間以内に,裁判所に対して「異議」を申し立てることができます(同法第378条第1項)。この「異議」があったときは,裁判所は,通常の訴訟手続によって,引き続き原告の請求について審理を行い,判決をしますが(同法第379条第1項),この判決に対しては控訴(この場合は地方裁判所に対する不服申立て)をすることができません(同法第377条)。 ※注意点 少額訴訟手続においても,通常の訴訟手続においても当てはまることですが,ア.被告が最初の口頭弁論期日に出頭せず,かつ,イ.訴えた人(原告)の主張を争う内容の書面も提出しない場合には,被告は,原告の言い分を認めたものとみなされ(同法第159条第3項本文,第1項-擬制自白の制度といいます。),裁判所は,原告の言い分どおりの判決をすることができます。 |
2.イメージ図 法務省:少額訴訟の手続きについて |
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji_minji68-2.html#68-2
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